「きーむー!ほらサンタさんはいたのよこのバッグ見なさいよ!手紙に書いたやつよ!ほら信じる要素しかないでしょー?」
「あーはいはいそうでちゅねー」
今日は12月25日のクリスマス。ミコリザはいつもより早く目を覚ますと枕元にはラッピングされた箱。中身を見ると先日サンタへと手紙に書いた限定のバッグ。
早速と上機嫌のミコリザは休憩室で座っていたキムコンの所へ走っていき身体を揺らしながらプレゼントを見せつけた。キムコンは彼女へ目を合わさないようにそっぽを向き大きくため息を吐く。
「ほらサンタにお礼位外に向かって叫べばどうだ?」
「えへへーありがとおだおー」
「僕に言うな外に向かって言ってくれ」
満面な笑顔でキムコンに纏わりつくミコリザをそっぽ向きながら押しのけようとするキムコンにジョーとユウノはやわらかい笑みで見守っている。
それは前日に目撃したこともあって「素直じゃないなあ」「ですねえ」と小さな声で会話を交わす。
しかし何も知らないあと1人。ドクはふふんと胸を張りジョーとユウノに離す。
「ははは仲直り出来たみたいだなよかったよかった。……ほらな老公共ちゃんとサンタさんはいただろ!」
「アームさん……」
「ミコが言うとまだ可愛いですけどこの人は一度現実を教えないといけないみたいですねえ」
子供のように目を輝かせ言う所は純粋だと言いたいがあまりに放置していたら頭が痛むユウノとジョーは今夜クリスマスについて語る会を実施することを決心した。
そんな2人の苦悩は知らないドク、ミコとキムに向かいツリー下に置いた怪しい箱を指さしながら叫んでいる。
「おらミコ!俺からのプレゼントもとっとと開封しろ!いい発明品を入れてやったぞ!」
「どうせ爆発するんだろ?」
「分かり切ってるものをここで開けるわけないじゃない」
ドクの誘いに2人は呆れた顔で返す。ドクが何か発明品を作った=爆発物というのが2人の中で成立している。そのような評価は不服だと膨れっ面で抗議する。
「言いやがったなお前ら! そんなこと言うなら俺が開けてやるぞ、ほら開けた――」
「あ」
「ああ」
次の瞬間船の中が光に包まれる。次はドカンと爆発音。「またこれかよ!」ジョーの叫び声が響いた。
「ドクのばかー! 寒いし爆発するし船壊れるしー!!!!」
その後の船内は最低であった。プレゼントは爆発。中身から白い物体が噴き出し一気に船内の気温が氷点下へ。爆発により何故かピンポイントに空調設備は故障。
やむなく近くの星に不時着することとなった。
ミコリザはドクに掴みかかり叫ぶ。
「ホワイトクリスマれなくて残念だ。改善点はたくさんあるからよしとしようぜ」
しかしドクの口から飛び出した言葉は残念そうな顔に力付けようとする台詞。呆れたキムコンも続けて胸ぐらを掴んでいる。
「反省しろよ頭おかしいんじゃねえの!?」
「ははは、そんな褒めんなって」
「知ってた」そう言いながらジョーはその風景にやれやれとため息を吐く。ユウノは「平和ねー」と扇子を口に当て笑っていた。